前回の茶話会では、参加申込時に受け付けた先生への質問に、聖隷浜松病院結節性硬化症BOARDの岡西徹先生（小児神経科）がご回答をくださいました。
先生のご厚意によりこちらにも当日のQ&Aを掲載させていただきます。
今回は、「脳・てんかん」についての質問を抜粋します。
※こちらの情報は名古屋エリア茶話会においての患者さんの相談とそれに対する答えです。あくまでも参考とし、実際の治療においては必ず結節性硬化症の担当医師と十分にご相談下さい。
① 疲れがたまっていたり、緊張がとけてほっとしたとき、睡眠開始時や眠そうなときに発作が起こることが多いです。疲れがたまっているとか、眠気があるとか、通常大人だとドリンク剤飲んだり、カフェイン飲料飲んだりしますが、そういった方法が発作を抑える効果があるかどうか。そういった研究があったかどうか知りたいです。
A. 疲れが多いと発作が起きやすくはなりますが、ドリンク剤で疲れを抑えるとよいという研究はないと思います。やはり休息をとるのが一番です。
② 現状、４種の抗てんかん剤（テグレトール、マイスタン、ヒダントール、イーケプラ）を服用し、てんかん発作は月に1～2回程度です。小学校入学前には脳波やMRI等の検査を頻繁に行いましたが、それ以降はほとんど検査することもなく、２年前に終夜脳波の検査をしたぐらいです。今後、どんな検査をいつ頃受けるとよいでしょうか？
A. MRI検査はなにもなくとも1-3年ごとには行うべきと言われています。脳波は病状に応じてであり、不要なひとは全くいりませんが、内服はしている方ですと落ち着いていて半年か1年ごとくらいです。
③ 発作が落ち着いている場合、脳波の検査はどれくらいの検査でしたほうがいいのでしょうか。また、てんかんが再発しやすい年齢などはありますか？
A. てんかんと診断されていて内服があればやはり半年から1年ごとの検査です。てんかん再発は見ていると乳児で点頭てんかん▶︎小学校くらいで部分発作、というひとは多いですし、確かに自然に止まってくる方も一部はいるのですが、悪くなる方も多く、あまり傾向がないようです。
④ ＶＮＳの情報を知りたい。
A. てんかんの為のペースメーカーというのがイメージでしょうか。手術は簡単、効果は内服よりはある、くらいの効果です。
⑤ 5ヶ月の時にてんかんがわかり、病気が判明しました。ACTH治療法で発作はなくなり一年が過ぎましたが、何歳までに発作が無かったら再発は無いというのはわかりますか？
Ａ. 再発は小学校のあいだが多いです。高校くらいまでなければあとはかなり出にくいと思います。女性だと生理が始まる時期は要注意です。
⑥ アルコールでてんかん薬の効果が少なくなると言うことはありますか？
A. 基本的にてんかんにはアルコールは発作誘発します。
⑦ てんかん外科手術の適応になる人は、どういう発作症状の人ですか？軽く見える発作でも、脳波をとったらすごく悪くて手術したほうがいいということはありますか？
A. 内服が効かず、発作が困るくらい残存している場合です。困る、の基準はひとそれぞれです。どのようなてんかんでも手術適応はありえますが、いろんな検査をしてからの判断になります。
⑧ SEGAの場所を見れば発達面が伸びないところはわかるんですか？
A. 発達と直接の関係はありません。
⑨ てんかん（複雑部分発作）の症状について、 大変な時もありましたが、今は落ち着いています。でも、中学生になり思春期などに発作が起きやすいようなので、小学生の時と同じく学校への登下校の送り迎え、プールの時間の見学をしています。今後、高校生となり、就職して…と進んでいった時、いつまで送迎や付き添いが必要なのでしょうか？症状が一人一人それぞれ違うので、先がみえにくく、いつまでサポートをするべきなのか、自立を考えた時に色々と悩みが出てきます。
A. 付き添いはその程度のてんかんだと無くて自立している方が多いと思います。サポートは心理的な側面ものもありますので不要の判断が難しいですが、できるだけ自分で自分の事はしたいものです。
⑩ 昨春から複数のてんかん薬を服用してますが、月に6回以上の発作があり、合う薬を調整しています。もう使える薬が少なくなってきたと主治医の先生からお話がありました。てんかん薬でコントロールができない場合、今後どのような治療があるのでしょうか？
A. 開頭外科手術、迷走神経刺激療法、食事療法があります。聖隷浜松病院はてんかん治療を得意としています。