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3.一般演題④

座長:香川県立中央病院 脳神経外科 診療課長 市川智継

焦点てんかんに対してペランパネルが有効であった結節性硬化症の女児例

 

演者:岡田このみ1),森地振一郎1),稲垣夏子2),林佳奈子1),
渡邊由祐1),高松朋子1),春日晃子1),竹下美佳1),
呉宗憲1),石田悠1),小穴信吾1),山中岳1)

1)東京医科大学 小児科・思春期科学分野
2)東京医科大学病院 遺伝子診療センター

 

【はじめに】ペランパネル(PER)はAMPA受容体の活性化を選択的に阻害して,神経の過興奮を抑制する.今回,結節性硬化症(TSC)の焦点てんかんに対してPERが有効であったので報告する.

【症例】4歳女児.周産期歴で特記事項なし.生後2か月より右半身優位の下肢から始まり広汎化する焦点起始両側強直間代発作を認め,頭部CTにて多発する皮質結節,脳室周囲の石灰化,および白斑を認めることからTSCと確定診断した.カルバマゼピンとゾニサミド(ZNS)で発作コントロールがつかず,その1か月後にepileptic spasmsが出現した.脳波にてhypsarrhythmiaは確認されなかった.点頭てんかんと診断し,ビガバトリンを追加することで治療反応性は良好であった.以降夜間から午前中にかけた強直けいれんを繰り返し,脳波にて両側前頭葉を起始とした棘波成分が散見された.ZNS増量にて発作コントロールがつかなかったが,PERを追加した後に発作頻度が減り脳波にて異常突発波も認めなくなった.

【結論】TSCの焦点てんかんは治療抵抗性が高い傾向があり,抗てんかん薬の選択に難渋することが多い.他の抗てんかん薬で効果が乏しい場合に,PERは選択肢となりうる.

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