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1.結節性硬化症について患者ご家族/初学者向けショートレクチャーズ

1.結節性硬化症について患者ご家族/初学者向けショートレクチャーズ④

座長 信州大学医学部内科学第一教室 特任講師 林田美江

呼吸器のお話


講師:順天堂大学医学部附属順天堂医院呼吸器内科

客員教授 瀬山 邦明

 結節性硬化症(TSC)に特徴的な肺の病気には、リンパ脈管筋腫症(LAM、”ラム”、と呼称)、MMPH、CCSTLがあります。MMPHとCCSTLについては適切な日本語病名がなく、アルファベット通りに発音して呼称されています。講演では主にLAMについて説明します。
 LAMは、LAM細胞という異常な細胞が肺のあちこちで増殖して肺を破壊し、多数の嚢胞ができる病気です。主に成人になってから発症してくる進行性の病気です。小走りや坂道・階段の上り、等の体動に伴って息切れを感じることが多く、30~40歳頃にみつかる事が多いです。息切れ以外には、気胸を発症することが多いです。突然の胸痛があり、息が苦しくなった時には気胸を疑って受診する事をお勧めします。LAMの発症には性差があり、女性ホルモンの分泌が盛んな時期に見つかることがほとんどです。病状の程度や発症時期には個人差がありますが、女性TSC患者では40歳までに80%近くでLAMを疑わせる肺嚢胞が認められるとされています。一方、男性TSC患者さんでは、約10%程度にLAMに合致する肺の嚢胞性変化が認められるが、症状が出るほどになることは非常に稀です。TSCと診断され、経過中に呼吸器症状が出現した時には、あるいは呼吸器症状がなかったとしても18歳以降では、一度、胸部CT検査を受けることが推奨されます。

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